2010年09月09日
集中して聴くということ
常々弾くだけじゃダメ、たくさん聴かないと!と思っている私。
レッスンでも生徒さんに聴いてもらう機会を設けることがあります。
普段はCDやDVDを貸して家で聴いてきてもらうのですが、
聴いたとしても集中して聴いていなかったり、
それ以前に「聴かなかったぁ〜」という報告を受けたり。(^_^;)
ということで、レッスン室で一緒に聴くことになるのデスヨ。
聴いてもらう曲は、現在弾いている楽曲というわけではありません。
バッハを弾いているのであればチェンバロの演奏を。
ベートーヴェンを弾いているのであれば、
ベートーヴェンの生涯を描いたDVDを、
シューベルトであれば歌曲のCDを・・・といった具合です。
バッハを聴かせた子。その場で音が変わりました。
(チェンバロ演奏と2人のピアノ演奏を聴き比べました。)
その子はベートーヴェンも弾いていたので、
先週レッスンの最後にベートーヴェンのDVDを15分ほど観てもらいました。
そして今日。
第1音目から音が違うぢゃぁないですか!
家でなんとなぁく聴くのと、
レッスン室で私と一緒に聴くのとでは、
きっと集中力が違うのだと思います。
また、聴き方を指導することも多々あるので、
その影響も大きいのかな。
自閉症の男の子。
クレメンティを弾いているのですが、
なかなか古典派の表現がつきません。
言えばなんとなぁく理解してその通りに演奏するのですが、
すぐに忘れちゃってテクニックだけになってしまう。
そこで、先日モーツァルトの曲を聴いてもらいました。
・男性的なところ
・女性的なところ
・音の響き
・フォルテとピアノの差
こういったところを聴くように指導してから聴いてもらい、
聴いたあとは、
「今弾いている曲にも、男性的なところと女性的なところ、
フォルテとピアノがあるよね。
今日はこの曲のレッスンはしないから、
自分でどこが男性的で、どこが女性的か考えて、
自分なりに表現してきてごらん。」
とお話しました。
次のレッスン。
いやぁ、見事に大変身を遂げておりました。
教えりゃぁいいってもんじゃないんだよな、と思う瞬間。
レッスンはきっかけ作りなんですよね。
テクニックについてはきちんと指導しますが、
音楽的な表現という点においては、
楽譜の読み込み能力にしても、時代様式にしても、
「きっかけ」をどのように与えるかなんだろうなぁ、といつも思います。
今日ベートーヴェンのDVDを観た子。
1時間レッスンのうち15分をDVDに使いました。
前回も今回も。
DVDを観終わるまで、毎回15分このために使おうと考えています。
中学1年生の子なので、わからない単語や歴史などは、
その場で注釈を加えてあげながら。
家で聴いてきてね。
コンサートに行ってね。
言うのは簡単。
でも、聴いたとしてもどこまで集中して聴いているのか?
第一、聴き方がわかっていなければ、
漠然と影響を受けるだけで終わるかもしれないし、
なんとなぁく聴いてそれだけで終わっちゃうかもしれないし・・・です。
集中して聴くということは、
聴く「コツ」を知っているということでもあります。
特に演奏する側の人間が、何かを学びたくて聴く場合はそう。
漠然と聴いたって学べることは少ない。
脳みそを使いながら聴くから学べるんですよね。
これからもどんどんレッスンで聴いていこうと思います。
私の演奏を聴かせることも大切。
でも、チェンバロや歌曲やオケや室内楽、
その他私には弾けない曲(って、そういう曲ばっかり!)、
そういう楽曲を一緒に堪能しながら、一緒に感動しながら、
一緒に感想を言い合いながら聴いていきたいなぁ。
そこには、言葉で伝えたくても伝わらないことがたくさん詰まっていて、
クラシック音楽ってそういうところから学ぶことの方が多いのだから。
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この記事へのコメント
ベートーベンの生涯のDVDの名前を教えて頂けないでしょうか
今ベートーベンを練習しているので、是非子供に見せてあげたいと思いメール致しました。
初めまして。コメントどうもありがとうございます。このDVD絶版になっているのか・・・楽天では見つからず、Amazonでは中古しか見つかりませんでした。「ベートーヴェンの生涯」というDVDです。
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これです。
今息子は、月光の3楽章を勉強していおります。先生のブログ楽しみにしております。これからも拝見させて下さい。ありがとうございました。