2010年08月26日
ベートーヴェンは演出家?!
久々にベートーヴェンの悲愴第1楽章を練習しています。
中学だか高校だか以来の譜読みなので、
以前見えなかったことがたっくさん見えてとても楽しいデス♪
この曲には「悲愴」という題名がついていますが、
打ちひしがれている様子が全く見られなくて面白いですね。
悲愴的な楽想部分も、客観的な悲愴感という気がします。
なんだろ、悲愴的なものを演出しているというか。
内省的じゃぁないというか。
心のひだを表現する繋留音がなくて、
どのメロディも伴奏も1拍目から始まるため、
すごく決然とした強い印象を受けます。
倚音もモーツァルトのような繊細さを感じる倚音ではなく、
どこか演出的な要素を感じる客観的な倚音といった感じ。
どうやら、この曲には悲愴に立ち向かう強さがあるようです。
ベートーヴェンらしいですネ。
まるでギリシャ神話の英雄オデュッセウスのみたい。
どんな困難にも立ち向かっていくオデュッセウス。
ところで、ベートーヴェンの楽譜を眺めていていつも思うのですが、
ベートーヴェンって緊張感のある休符の扱いが上手いですよね〜。
この悲愴にも効果的な休符がそこかしこに見られますが、
そこには緊張感という”演出”が働いているような気がします。
特に初期・中期のベートーヴェンは、
自分を売り込むことを念頭に置いていたように思うので、
ピアニストとしての腕前を披露するための作品や、聴衆の心を掴むことを意識した作品が多いように思います。
ベートーヴェンにとって”緊張”とは、
ドラマティックな演出のひとつだったのではないでせうか。
減7の扱い方にしても、休符の扱い方にしても、
ベートーヴェンのそれはとてもドラマティック。
久々に譜読みしている悲愴。
ベートーヴェンの演出にしっかと乗っかった演奏がしてみたい。
俳優になりきった演奏というかネ。
休符の扱いと、1拍目の扱い方次第なのかなぁ。
ベートーヴェンの1拍目には力強さがありますネ。
私はこの1拍目の扱い方に「運命に負けないぞ」
という強さを感じます。
ギリシャ神話の演劇を彷彿とさせるような・・・・、
そんな演奏がしたいなぁ。
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