2010年06月23日

これからの目標は感情表現と精神性

ここ2日ぐぅたらして、今日やっとこさお掃除しましタ。
すっきりぃ〜♪
部屋が綺麗だと、空気も綺麗。気持ちも綺麗になれますネ。



line-tamablue



ところで、今回ショパンの前奏曲第8番を勉強したことで、
今後の課題が見つかりました。
実はここのところ自分に与える課題がなかなか見つからず、
しっかとした目標を据えることができずにいたのです。
目標がないと漠然としすぎていて、
頑張るにしたってどうにもこうにも・・・ですネ。


04822文学に親しもうと、
そういう機会を無理やり自分に与え始めたのは、いつ頃からかな・・・。
2,3年前??
ロシアのピアニストの演奏を聴くと、文学を感じる私。
精神性というのでしょうか。
音楽に何かが宿っていて

グググググイィッと心をつかまれるような何かがある。
私の演奏に足りないものが、そこにあるような気がしていたのですヨ。

で、文学だったのです。
イリアスとオディッセイアをきっかけに、
いろんな文学に親しむよう心掛け始めました。
そのうち、音楽を感じる文体というものに惹かれ始めて、
そういう文体を選んで読むようになっていきました。

でもね、まだこの時点では音楽と文学って、
私の中では分離したままだったんですよね。
演奏にそういったものを生かすということが、
具体的にどういうことなのか、さっぱりわからないままだったのです。
試そうとはしていたんですよ。(笑)
でもね、そんなの感情論でしかなくって、
実際に音にするってどういうことよ?がわからなかったのです。
その時の気分次第、ってのも違うだろ・・・と。

で、今回出会った前奏曲第8番なのです。
最初この曲を選んだ理由は、ハーモニーの美しさでした。
楽譜ぱっと見ただけで決めた曲。
まぁったくなぁんの情報もないままに決めた曲。
だから、最初は響きばかり追っかけていました。

その後、何らかの感情をこの楽譜に感じ始め、
何だろう?一体何なんだろう?と思うようになりました。
最初はね、男女の恋愛かな、なんて思ったんですよ。
ジョルジュ・サンドとのことかな・・・とかネ。

で、しばらく1ヶ月くらい熟成させた後、
久々に楽譜を眺めてみたら、
恋愛なんかじゃないじゃん!!!だったのです。
この曲はFis moll。
何故この調なのか?
運命の不条理さに打ちひしがれるショパン、
私はこの曲から、諦め、慟哭、嘆きを感じ始めるようになりました。
そして、なんとかそれを音にしたいと苦心するようになりました。

テンポを速くしたことが、
この苦心から脱却する第一歩となった気がします。
あの時テンポを速くしようと思わなかったら、今の私はいないかな。
具体的に、どう音にしたら、私の望むものが表現できるのか。
それが見えてきたのは、本番3週間くらい前くらいじゃないかなぁ。(^_^;)
そう思うと、この曲、本当は本番に出すのに1,2年かけるべきだったのよね。
まぁ・・・今さらなので、それは置いといて・・・。

それから、ぺダリング、間合い、音のバランス、
音楽の流れ方などなど、いろいろと修正し始めました。
精神性を音楽表現に取り込むという引き出しの全くない私は、
試行錯誤するしかないわけで。(笑)
あぁ、こういう間合いで弾くと、こういう感情が生まれるのか・・・とか、
こういう流れで持っていくと、こういう精神性が表現できるのか・・・とか。
この曲最後のハーモニーの音のバランス。
ハーモニー同士の間合い。
ただ美しい響きを求めるというのではなく、
こういう感情に聞こえるためには、どういうバランスがよいのか・・・という追求。
私にとって新しい世界が開けた感じで、目の前がぐぐんと広がった気がした瞬間でした。

まぁ、なぁんて不器用な!!ですネ。
でもね、これが私のいつもの第一歩なのですヨ。
そして本番。
いつもの私は本番、本能的に安全圏に逃れた演奏になってしまいます。
そこで、今回は多少荒くなっても構わないから、
精神性を持たせた演奏をする、ということを目標に据えました。

荒いのは仕方がないとして、
本番どこまでそれが表現できたかというと、う〜ん・・・という気持ちもあるんですが。
思ったようなぺダリングにならなかった箇所もあるし、
出したかった低音が出ていない箇所もあります。
もっと間合いを入れたかったのに、焦って先に突っ込んでしまった箇所もあったり。
いずれも私が精神的なものを表現するために、
大切にしていた箇所で、反省点は数限りなくあります。
でも、少なくとも安全圏に逃れずに楽曲と向かい合った演奏ができた、
という点では、私にとって大きな第一歩だったように感じています。

文学をひたすら読み続けながら、求め続けた音楽と精神性の一致。
それがこの曲のお陰で、少し垣間見えてきた。
それは、演奏する立場、表現する立場の人間として・・・という意味でのお話ですが。
でも、今の私にはその引き出しがない。
これまで感覚だけに頼って弾いていた部分だからだと思います。
でもね、引き出しの作り方がわかったように思うのですよ。
自分で引き出しが作れるようになったら、もうあとは経験していくしかない!です。

なんかね、面白くなってきたなぁ〜と。(笑)
今、久々にベートーヴェンの悲愴を弾こうかと思い始めています。
何年振りでせう。20年振り???いや、もっとか。
この曲を初めて弾いたのは、たぶん中学生の頃のことだから・・・。
たまに、そういう振り返りもいいものですネ。
第一ベートーヴェンそのものが、私にとっては久々の作曲家で。(^_^;)

この曲、題名は「悲愴」と重たいものですが、
今回の前奏曲第8番のように作曲家の心の吐露というほどの重みは、
実は私、あまり感じていません。
でも、感情表現という点では非常にロマン的。
  ・・・・私はベートーヴェンは前期ロマン派の作曲家だと思ふ。
前奏曲第8番とは違った側面から、精神性や感情を追求していくことができそう。
今回自分に課した課題の入門としてはいい選曲じゃないかな。


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この記事へのコメント

1. Posted by うめもも   2010年07月05日 00:35
中嶋先生!!
ホームコンサートご成功おめでとうございます^^

動画アップ&記事ワクワクしながら
読ませていただきました。
やはり、先生の音が私は大好きです。

最近の中で、一番心に迫ったブログ記事に
コメントさせていただきました♪

音や精神性。
音楽の上辺を浅く漂っている今の私には、
とても勉強になります。
深く思うようになりました。
2. Posted by 中嶋   2010年07月05日 16:04
>うめもも先生へ

ありがとうございます〜♪無事終了し、今は抜けがらです。(笑)毎回思うのですが、発表会後、私ってこんなに暇だっけ?!驚くほどのぉんびりと過ごしています♪

私の音が好き、と言っていただけることにこの上ない幸せを感じます。がんばるぞぉ〜って思える。とても嬉しいです。ありがとうございます。精神性を音にする。難しそうだけれど、やっとこさきっかけがつかめた気がして、これから面白くなっていきそうです♪お互い来年のソレイユに向けて頑張りましょうね〜♪