2010年05月24日
ピアノを鳴らす
生徒さんでギロックこどものためのアルバムに入っている、
ワルツエチュードを練習している子がいます。ギロック こどものためのアルバム
販売元:全音楽譜出版社
発売日:2008-09-24
おすすめ度:
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この曲、響きがショパンっぽい。
ショパンと同じピアノの鳴らし方をする箇所が、
随所にみられるんですよね。
ショパンと同じ響きでない曲にしても、
ギロックという作曲家はピアノを響かせるのが上手な作曲家だなぁと、
いつも感じます。
私はこういう響きが大好き♪
ピアノが喜んでいる気がします。
で、この生徒さんなのデス。
ピアノが鳴らないんですねぇ。
楽器を鳴らすということ、そのこと自体イメージできていない様子。
この2か所。
ここは、ピアノが存分に響く、ピアノの音色が会場に響き渡るような、
そんなところだと思うのですが、
いくら言ってもピアノが鳴らない。
低音の弦が他の弦より太くて長いことをイメージしてと言っても、
重さをもっとかけてと言っても、
私の言葉は空回りするばかり。
そこで、楽曲から離れて、
ピアノを鳴らすということを実感してもらうことにしました。
「先生と同じ響きが作れるかな?」
まずは、低音の太い響きを感じてもらうためのアプローチ。
1つ1つの音を単音で感じるのではなく、
すべてひとまとまりで演奏するように。
最後はペダル踏みっぱなしで、
ピアノの響きの波形を感じるように。
ウワンウワンウワンウワンッ・・・
すべての音が融合した音のうねりが聴こえるはずなのだから。
聴く、という訓練です。
何度も何度も試しているうちに、
私と同じような響きが作れるようになってきました。
そこで、今度は高音の響きを取り入れて・・・。
これまた美しい響きのする組み合わせです。
今度は低音の響きに高音の響きが溶け込むハーモニー。
これも同じように融合した響きを感じて。
大切なことは弾き終わった後の、音のうねりを聴くこと。
ウワンウワンウワンウワンウワンッ
何度も繰り返しやっているうちに、
とてもいい響きでピアノを鳴らせるようになってきました。
そこで、
「今の響きを、この曲で作ってごらん。」
と、改めてギロックを弾き直してもらうことに。
いやぁ、驚いたのですヨ。
さっきとは別人!!
同一人物の演奏とは思えない響き。
まさかここまで変貌するとは!
コレ、大ヒットのアプローチ方法です。(笑)
でね、このレッスンをしたのは先週のことなのですヨ。
今週レッスンしたら元に戻ってピアノを鳴らせなくなっていたので、
もう一度同じアプローチをしました。
そしてやっぱり、
このアプローチをした直後の演奏は、まるで別人なのデス。
「この曲は、この響きが作れないと魅力的じゃないよね。
だから、これからこの曲を練習する前に、
ピアノを鳴らす練習をしてごらん。」
と、このアプローチを家でもやってもらうことにしました。
あとは、この1カ月でどこまでこの響きを自分のものにできるか、ですネ。
やればできるんだから、定着させるだけ。
どこまで自分がその響きを求めているか・・・という問題なのでせうか。
ということは、この響きに魅力を感じてもらえるようなレッスンをしなきゃ、ですネ。
私もがんばらねばっ。(笑)
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この記事へのコメント
書き込みは大変なご無沙汰でございます。
いつも読み逃げでホントにすみません。
この曲、名曲ですよね♪
私はいつも、この曲を生徒さんに与えて、
この曲を乗り越えられたらショパンのワルツ集を与えています。
意外とくせ者なんですよね、この曲。
すっごい綺麗なのに、楽譜面から受ける印象以上に
難しい。
響き以前の問題だって子が多くて、
ショパンへの道は遠い子ばかりです。
読んでいただけるだけで、とっても嬉しいです〜。もともとこのブログはコメントが少ないので、気になさらないで大丈夫ですよ〜♪
ところでこの曲。ホント、難しいですねぇ。音が複雑で譜読みするだけでも大変なのに、それに加えてヘミオラで拍子感が倍の長さになったり、課題山積みの楽曲だなぁと思います。でも、だからこそ楽しい曲・・・ですネ。