2009年03月12日
ピアニストって
ピアニストってすごいなぁと思う。
そして、
私はピアニストにはなれないなぁと思う。
それから、
ピアニストにはなりたくないなぁと思う。
ピアノは好きだけど、
弾き続けていきたいけれど、
それとピアニストという職業は、
私の中では別。
ピアニストになるための資質。
音楽的な才能もさることながら、
それ以上に
・記憶力
・精神力
・体力
・集中力
が必要なのだろうと感じるから。
生まれもって音楽的な記憶力を持っている人は、
かなりピアニストとしての資質があるってことでせう。
精神力や集中力は訓練すればなんとかなりそうだけれど、
でも、それを幸せと感じるか苦痛と感じるかは大きな分かれ道。
体力は日々の努力次第?
アルゲリッチはすごい記憶力の持ち主でした。
それこそ天才の域。私にはとうていあり得ない。
たぶん、普通のピアニストにもあり得ない。
モーツァルト的な記憶力。
同室の友人がピアノ協奏曲の練習をしていたとき、
隣で寝ていたアルゲリッチは、
翌朝友人のミスタッチまで記憶していたといいます。
あり得ないでしょ。
そんな記憶力に支えられてたら、
さぞかし本番気楽だろうと思いきや、驚くほどの気弱さ。
舞台袖でのアルゲリッチはひどく怖がり、
舞台になかなか出たがらないとか。
アルゲリッチはピアニストになりたかったわけではなかったらしい。
でも、周りの人間はピアニストになるのが当然・・・という態度。
たぶんピアニストになる以外の選択肢のない人生だったのでしょう。
果たしてアルゲリッチは幸せなのか?
ソロ活動を停止し、アンサンブルばかりをやるのは、
心から音楽を楽しみたいからなのかもしれないなぁ。
で、私はというと。
テクニックもそうですが、
同時にに記憶力という
大きな壁にもぶち当たります。
練習すれば克服できる!
もちろんそうでしょう。
でもね、それにはかなぁりの努力がっ。
ピアニストでいるためには、
1人で1時間半〜2時間弾き続ける
プログラムを持っていないとね。
そのためには、それだけの楽曲を記憶しなきゃぁいけない。
その上、
「間違えないで弾けるだろうか?」
「忘れないで弾けるだろうか?」
「思うような表現で演奏できるだろうか?」
という不安が1時間半〜2時間つきまとうわけで・・・。
とてもじゃないが、私には耐えられそうにありません。
ショパンは1日の練習量は3時間まで・・・と言っています。
それ以上練習し続けても、音楽に悪影響を及ぼすだけだと。
言い換えれば、3時間以上練習しないと、
コンサートを開けないタイプの人間は、
ピアニストにならないほうがいいだろう・・・ともとれる。(^_^;)
記憶力・精神力・体力・集中力が持ったとしても、
音楽的なものがそれで激減してしまうということは、
魅力的な演奏はできないってことだものネ。
・・・・ただ、ショパンの時代はまだ暗譜で弾くのが当然、という風潮はなく、
リストやクララ・シューマンが暗譜で弾き始めたばかりの頃だったので、
記憶力の必要性はあまりなかったのではないかな、と思います。
でね、私は1日8時間くらい練習しないと、
2時間分の記憶&テクニックは補えないだろうと思うのですヨ。
果たしてそれだけのことを自分に課すことが、私にとって幸せなのか?
いやいや、かなぁり不幸せ、イライラした毎日を過ごすことになりそうです。
きっと音楽的にもあっという間に行き詰まり、手詰まり状態になるでせう。
ラローチャは人前で演奏することは喜びだと言ったらしい。
私はというと、悲しいかな、それを喜びだと感じたことがまだない気がします。
これは大問題。
人前で弾かなきゃ・・・という思いの方が強い。
そういう意識を持っていないと、ピアノ講師としての質を維持できない気がするから。
常に前進し続けること、精進し続けることは、
指導者にとって必要不可欠だろうと思っているので。
とはいえ、人前での演奏を喜びに感じないというのは、
これはやっぱり大問題。
こんな自分の歴史を振り返って思うこと。
生徒さんが人前で演奏したら、
たくさん褒めてあげて、たくさん素敵な演奏だったよ!と伝えてあげて、
人前で弾く喜びを感じてもらうようにしていくということが、いかに大切かってコト。
ラローチャとアルゲリッチの違いはそこ。
アルゲリッチは、かなぁり厳しい子供時代を過ごしたらしい。
過去のトラウマが、天才を苦しめているんですね。
将来ピアニストになるわけじゃぁなくても、
ピアノを弾く喜びっていうのは、やっぱり人に聴いてもらってナンボのもの。
聴いてくれる人がいるって、やっぱり嬉しい。
練習のし甲斐がある。
1人で淡々と練習をこなし、それを表現する場がないというのは寂しい。
ん〜、そういう意味では私は人前が嫌いではないのかも。
たくさん練習して、ある程度仕上がったら、
誰かに聴いてもらいたいと思う自分がいるから。
それにしてもピアニストってすごい。
あれだけのプログラムを
こなすことの大変さを思うと、
もうそれだけで、ははぁ〜〜とひれ伏してしまう。
もちろん、本当は音楽だけに
耳を澄ませるのがいいんだろうけれど。
ときどき、その裏側にある
彼らの努力を思い浮かべると、
ホント、ひれ伏してしまうのですヨ。
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