2008年11月06日

演奏に生かす楽典-第3音

私の大のお気に入り教材。


ピアノ学習者のための ピアノソルフェージュ(1)
ピアノ学習者のための ピアノソルフェージュ(1)


この教材、ほんっとうによくできているんです。
感心しきりで、私も復習を兼ねてやってる感じ。
ピアノ学習者のための・・・とあるように、
演奏に生かすための楽典を学ぶことができる教材です。

まず5指の型のスケール。
これはこの教材に入る前のピアノ導入期の教材、
ミュージック・ツリーですでに経験済みなのですが、
ここではそれをさらにバージョンアップ・・・といったところでしょうか。

長調と短調の違い。
例えば、ト長調とト短調の5指の型によるスケール。

dur-moll

下に振ってある数字は、指使いです。
長調の3指を半音下げれば、そのまま短調に変身です。
この指使い、そのまま第1音、第2音、第3音という数字にも置き換えられますネ。
変化するのは第3音なのデス。
以前ブログでハーモニーにおける第3音の重要性について書きましたが、


cho3tan3

長3度の響きと短3度の響きの違い。
ハーモニーの響きの違いは、この第3音にゆだねられていたのでした。
この教材book1には、こういったハーモニーはまだ出てきませんが、
この時点ですでに”第3音の意識”への働きかけがあるように感じます。

3の指を半音下げて演奏するだけで、
どんな風に響きが変わるのか?
それを指と耳と脳と心で感じます。
そして、実際の楽曲で弾き比べます。


dai3on-1

課題となるこの曲。
まずは初見で演奏。
何調かの判断をします。
手が5指の型に収まっているので、調性判断はとっても簡単。
これは指がソラシドレに置かれるので、ト長調ですネ。

次に、この曲をト短調で弾きます。
3指を半音下げて、同じように弾けばいいだけです。
これまたとっても簡単。
簡単だからこそ、あとは感じればいいだけ・・・なんですよネ。


dai3on-2


楽譜にするとこんな感じになりますが、
 ・・・・・第3音の変化をわかりやすくするため、調号を省いています。
もちろんレッスンではいちいち楽譜にしたりしていません。
ただその場で弾くだけです。
大切なのは、3の指の音の変化により自分が何を感じるのか・・・です。

そして、最後にこれを3部形式にして演奏します。
私はこれがとてもとても重要なことだと感じています。
この瞬間が、本当の意味で楽典を演奏に生かす瞬間となるからです。


ト長調→ト短調→ト長調


これで3部形式の出来上がり。
ありがたいことに、この曲はメロディーの始まりが第3音です。
きっとそこまで意識して教材曲としているんだろうなぁと感じます。
ほんと、この教材は痒いところまで手が届いている教材なのですヨ。
ここで私が重要だと思うこと、レッスンで決して見逃したくないと思っていることは、


.板皇瓦らト短調へ移る、ト短調のメロディ最初の音の扱い。
▲斑残瓦らト長調へ移る、ト長調のメロディ最初の音の扱い。



この2つです。
この曲は、メロディの最初の音で、調が変わった!と
雰囲気の違いを感じることができる曲です。
メロディの最初の音が第3音だからです。
だから、この第3音への意識はとてもとても大切。
ないがしろにしちゃぁいけない音なのです。
変化を感じて弾かなきゃいけない。
ただサラサラサラッと弾いてしまっては、
感情も何も沸いてこない、のっぺらぼうな演奏になり兼ねません。

演奏に生かす楽典。
この音は長調の第3音なのか、
この音は短調の第3音なのか、
そこにどれだけの変化を自分が感じているか・・・ですよね。
それがそのまま音になる。

その音を強くとか、その音を弱くとか、それでは心を込めにくい。
でも、その音が変化しているのだということに気づくだけで、
自然と自分の心に変化が現れて、それがそのまま音になる。
演奏者における楽典って、こういうことなのだろうなぁと思うのデス。

それにしても、ミュージック・ツリーにしろ、この教材にしろ、
中村菊子さんが翻訳しているこのシリーズは、
ほんっとにすごい。すごすぎると思ふ。
最近ポピュラー側に立った楽典やハーモニー進行の教材を見かけますが、
この教材はクラシック側からのアプローチなんですよね。
こういう教材で、クラシック側からアプローチした教材って珍しいかも。
でなきゃ、いきなり受験用の楽典にいっちゃうもんなぁ。(^_^;)

将来ポピュラーで遊びたいという人には、
ポピュラー側からのアプローチ教材がいいだろうし、
将来音大へという人や、クラシック音楽が好きという人には、
この教材がいいんじゃないかな〜と思っています。
こういう選択肢のある現代って幸せですネ。


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emksan at 09:00│TrackBack(0) ピアノ/知識 

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