2008年10月26日
いい音色でレッスンしたい
高校生の発達障害を持つの女の子のレッスン。
【ピアノ/本---Amazon.co.jp】
この子とは小学2年生の頃からの付き合い。
大きくなったなぁ〜。(笑)
この子は昔から感動屋さんでした。
今でも覚えているのは「ちゅらさん」の曲。
楽譜を持ってきて、
「先生、これ弾いてぇ〜。」
弾いてあげたら、ポロポロポロポロ泣いちゃったんですよね〜。
曲に感動したのとドラマを思い出したのとで泣いちゃったのでした。
今、この子は韓国ドラマ『冬のソナタ』の”My Memory”を弾いているのですが、
学校で忙しかったり、疲れていたりと、
ここのところピアノに集中できない様子。
そこで、レッスン最後にこの曲を弾いてあげることにしました。
曲の途中で目が赤くなり、
眼鏡の中に指を入れて目をこすり始めて・・・。
聴き終えたとき、
「MDと全然違う〜。」
と感動して言ってくれました。
生のピアノならではの音色に感動してくれたみたい。
そして、この曲への思い入れを思い出してくれたようでした。
私は生徒さんたちにピアノを聴かせてあげるとき、
今の私に出来る限りの美しい音色で弾こうと、
自分の音に耳を澄ませながら心を込めて弾くようにしています。
少しでもいい音を生徒さんたちに届けたい。
そして、そういう美しい音色をレッスンを通して、
身近に体験してもらいたいと思っています。
小学1年生の女の子。
歌が大好きで、いつも心を込めて表情豊かに歌ってくれます。
でも、ピアノとなると、これがなかなか。
自分の心の中で鳴っている音を聴いて、弾いているのがわかります。
これって、実際に出てきている自分の音は聴いていないってことなんですよね。
そこで、レッスン最後に今私が練習している曲を聴かせてあげることにしました。
「先生もね、一生懸命いい音を探しながら練習してるんだよ。」
今練習中のドビュッシー。
「先生は、この1小節だけ何回も練習するんだ〜。
なかなかいい音にならなくって。」
「右手はこう弾きたい、左手はこう弾きたい、って弾けるようになってもサ、
○○ちゃんも知ってるよね、両手になるとなかなかそうはいかないんだよネ。
先生もね、ここがそうなんだ〜。」
そして、クープラン。
この曲はある程度仕上げていた曲だったので、
途中までじっくり聴いてもらおうと長めに弾きました。
私の横で集中して耳を澄ませてくれているのがわかって、すごく嬉しかった。
「この曲はサ、左手が弱くないとキレイに響かないの。
だからネ、先生は何度も何度も左手だけできれいに弾けるように練習したんだヨ。」
演奏するときは、この子が私を見ながら聴いているのがわかるので、
一生懸命自分の音を聴きながら弾いている・・・というところを見せるように努めました。
そして最後に、
「○○ちゃんもね、ピアノが喜んでくれる音で弾くようにしよう。
ピアノが”私をそんな音で弾かないで〜!!”って悲しまないように、
”私をきれいな音で弾いてくれてありがとう”って言ってくれるように弾こう。」
「これじゃぁ・・・」(わざとカチンカチンした音で弾く)
「それじゃ、悲しんじゃう。」
「うん、そうだね。こう・・・」(私に出来る限り美しい音色で弾く)
「喜んでる。」
そして、今週の目標は耳をダンボにして、
ピアノが喜ぶ音を探してくる・・・となりました。
「先生も練習するんだね。」
私が練習している内容、私自身苦労しているところ、
私自身が気をつけているところ、
私自身が楽しんでいるところを生徒さんたちに聞かせると、
ほとんどの生徒さんが口にすること。(笑)
「そうだよぉ〜。だからサ、一緒にがんばろうネ。」
こういう時間を生徒さんと過ごすと、
もっともっといい音色で、
もっともっと素敵な音楽を、
レッスンの時々で
生徒さんたちに聴かせてあげなきゃ、
と思います。
ある先生がこんなことをおっしゃっていました。
「私は、
自分と同じ音色で生徒さんが弾ける・・・
ということを、
レッスンの目標にしているんですよ。」
いい音色を知らないと、いい音色では弾けない。
先生がいい音色を奏でることで、
生徒さんの耳は育まれていくんですよね。
CDじゃ伝わらないものが、生の音楽にはあります。
そして身近な演奏者の音色への集中力、指先への集中力は、
演奏会で感じるものより強烈だったりもします。
一流のピアニストが真横で演奏するような強烈さは、
とうてい持てない私だけれど、
少しでも生徒さんに「ピアノっていいな。」と思ってもらえる、
そういう音色で心に響く音楽を奏でることができたならと思います。
そのためには、常に私が音楽を楽しみ、音楽をいつくしみ、音色を追求し、
音楽を追求しているということなんですよネ。
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この記事へのコメント
ありがとうございます♪ホント、この職業に就けて幸せだなぁ〜と思います。
(*^_^*)