2008年02月29日

ぼやけた音をクリアな音へ&左の意識

先日ある大人の生徒さんが、

「どうしてもぼやけた音になってしまって、
結局わからないまま練習してきてしまいました。」


とレッスンにいらっしゃいました。
心配そうに「練習らしい練習にならなかった」
と反省を述べていらっしゃいましたが、
いやいや!

「ぼやけた音になっている。」

と感じる”耳”があるということは、本当にすばらしいこと。
求めている音があるってことですものネ。

「先生の音は耳に残っているんです。
でも、あんな風にクリアにならないんです。」


これまで左右のバランスやら、指のつかみやら、
いろぉんなことを雑多にレッスンしてきていました。
そこで、これらのテクニックが具体的にどのような表情(音)と結びつくのか、
しっかりと整理させる必要を感じ、

一度頭を整理してみよう!

ということになりました。
レッスンノートに、

ぼやけた音になるのはなぜ?

と書き、その下にその原因となる点を箇条書きにしました。

・左右のバランスが悪い
・指先でつかめていない

 ・・・・これは指先が使えていないということです。腕だけ
で弾いているということ。
・正確な音の長さになっていない
 ・・・・これはバロック・古典派の楽曲の場合です。
    音の長さが適当だと、全体がぼやけて聴こえるものだからです。


こうやって、問題点とその原因として考えられる点を次々にあげていき、
その日のレッスンは終わりました。

そして、それから一週間後のレッスン。

「今週はぼやけずに練習できました!」

と嬉しそうな表情。

「だらだらした練習にならず、
練習した!と思える練習ができました。」


とのこと。
やっぱり整理って大切なんだな〜を実感です。

家で練習していてなんだか上手く弾けないということは、
よくあることなのではと思います。
しかし、

”何故上手く弾けないのか?”

という原因を突き止めるのは難しいもの。
原因がわかれば、練習も生き生きとしたものになります。
けれど原因がわからないと、ただダラダラ弾くだけになってしまう。
頭を使った練習になるかならないかは、
そういった分析がきちんとできるかどうかにかかっているんですよね。

ぼやけた音に対する対処法がわかった今週のレッスン。
私は改めてある大切さを実感させられました。
今回のレッスンは、私にとってとても意義深いレッスンとなったのです。
それは

”左伴奏をよく聴く”

ということ。

・片手ずつはスラスラ弾けている
・両手もそれなりに弾けている
・左右のバランスもできている

それなのに、なんかガタガタした演奏になる。
その上、メトロノームと合わせると合わない!!
何故?なのです。

左伴奏の音の粒がそろっていないからなのか?
それとも両手の兼ね合いが上手くいっていないからなのか?
もしくはフレーズの歌い方に不自然なところがあるからなのか?

いくつか原因を探って、
それ相応の練習をしてみました。
でも、なんかしっくりこない・・・。
そこで、一言。

「左手をもっと聴いてみましょう。
次は、右手はほとんど聴かないくらいの意識で、
左手だけを聴いて弾いてみて。」


あらあら不思議!!
あっという間に問題解決しちゃったんですよ。
左手伴奏が右手に流されていたんですね。
しかも、右手にばかり意識がいくものだから、
左手の音の粒もそろわないし、テンポも狂ってしまう。

今回のレッスンでは、
この”左手が聴けていない”が原因で、
ガタガタした演奏になっていた箇所が数箇所みつかりました。
原因はテクニック不足にあったのではなく、

”耳”

だったのです。
この生徒さんは、現在古典派の楽曲を練習中です。
アルベルティバスなど古典派の伴奏って、美しく聴かせるのがとても難しい!
汚いのが容易にばれてしまうんですよね。
そのため、ロマン派以上に左伴奏への意識を高めないと、
美しい演奏には決してなりません。
 ・・・・もちろん古典派以外の楽曲すべて、
    左伴奏への意識が高ければ高いほどいいんですよ。


自分の練習の際には、
常に左手への意識・・・というよりすべての音への意識!
とかなり気を使っていたつもりだったのですが、
指導に関しては、まだまだ甘かった私です。


これは”どういう演奏のとき、左が聞けていないことが原因なのか”、
という指導の引き出しが、まだ私に定着していないということ。
私に定着していないということは、
”なんか変”をいい演奏にするための試行錯誤で、
生徒さんを振り回してしまうことになりかねないということです。
生徒さんの演奏を聴いただけ(もしくは見ただけ)で、
すぐ原因を究明できるようになっていたいトコロ。

人間の耳って、低音は聴き取りづらいんですよね。
以前三重奏を体験したとき、
チェロの音がなかなか聞き取れなかったことがありました。
ヴァイオリンの音色はワンサカ聞こえてくるのにも関わらず!!
その後コントラバスの伴奏を何度かするうちに、
低音に耳が慣れたような気がします。

これは自分の演奏についても言えることで、
やはりどうしても高音に耳がいってしまいがち。
低音はよほど意識しないと耳に入ってこない。
これは、ロマン派の楽曲に深く接することで、
随分聞き取れるようになった気がしています。
特にショパンは倍音を上手く使う作曲家なので、
低音の響かせ方次第で、
ピアノの響きが豊かにも薄っぺらなものにもなるということが、
一目瞭然なんですよね。

今生徒さんがやっているアルベルティバスなど古典派の伴奏は、
ショパンなどに比べどうしてもないがしろになりがちなものです。
でも、私はこういう伴奏にこそ右手以上に神経を使います。
そしてそれは、”左をよく聴く”ということで得られる美しさなのだと、
この生徒さんを通して学ぶことができました。

やっぱりレッスンっていいですね〜。
レッスンは生徒さんを通じて自分が成長できるいい機会、といつも思うんですヨ。


ランキングに参加してます。クリックで応援してね♪
banner_03 にほんブログ村 クラシックブログ ピアノ・鍵盤楽器へ


【音楽マンガ/本---Amazon.co.jp
モーツァルト―神童とよばれた天才作曲家 (学習漫画 世界の伝記)
ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家 学習漫画 世界の伝記
バッハ―マンガ音楽家ストーリー〈1〉
シューマン (マンガ音楽家ストーリー (6))
ブラームス (マンガ音楽家ストーリー (7))
シューベルト (マンガ音楽家ストーリー (5))
バイエル―マンガ音楽家ストーリー〈8〉 (マンガ音楽家ストーリー (8))
ピアノの森―The perfect world of KAI (1) (モーニングKC (1429))
いつもポケットにショパン (1) (集英社文庫―コミック版)


楽天楽譜ランキング  楽天クラシックCDランキング  Amazonトップセラークラシック





ちょっと忙しくなってきたため、
しばらく更新頻度が低くなる予定です。m(__)m
この合間に未読の
ブログorHPに載せている様々な文章を
読んでいただけたら幸いです。
 ・・・・もうすでに読まれている方は、ごめんなさい。

coffee-time2発達障害児レッスンアプローチ
伝えたいこと(発達障害について)
表現ピアノテクニック
ミューズ図書館(音楽エッセイ)
ピアノ史メモ年表
ピアノの歴史
教材を眺めて
HowTo
音楽知識







emksan at 11:56│TrackBack(0) ピアノ/How to | ピアノ/レッスン

トラックバックURL