2007年11月24日

ピアノ導入教材を眺めて(7)拍子感

今日は”拍子”について教材を眺めてみようと思います。
拍子にはイロイロありますネ。
4分の4拍子、4分の3拍子、4分の2拍子。
8分の6拍子や8分の3拍子、そして2分の2拍子。
さらにさらに、4分の5拍子などというものもあります。

私が子どもの頃使ったバイエルは、
51番まで4分の4・3・2拍子しか出てきません。
52番で初めて8分の6拍子が出てきますネ。
しかし、それ以外の拍子は出てきません。

私が気に入ってレッスンで使用しているオルガン・ピアノは、
ほとんどが4分の4拍子と4分の3拍子。
たまぁに4分の2拍子がある程度。
それ以外の拍子は、1,2巻には出てきません。

バスティンは、ピアノ・ベイシックス1巻だけを見ると、
やはりこれも4分の2・3・4拍子だけですね。
私のお気に入りのリラ・フレッチャーも同様です。

これらに共通して感じるのは、
”感覚”での導入ではなく”理論”で指導するという方法です。
4分の4拍子は、4分音符が1小節に4つ・・・といった具合ですネ。
で、私はどのような指導をしているかというと、これのどれとも違うのです。
まずは”感覚”で・・・というのが、拍子感における私の方針だからです。

そこでマイナーな教材ミュージック・ツリーなんですヨ。
ミュージック・ツリーのタイム・トゥ・ビギンは、
5線のないプレピアノ・・・といった教材です。
5線はありませんが、いきなり3曲目で5拍子が出てきます。
4分音符と2分音符による5拍子です。
小節線すらない楽譜なので、
本当にただただ”感覚”による拍子感です。

その後教材の中ほどで変拍子が出てきます。
5拍子と4拍子が交互に出てくるんですヨ。
hyuosi1

この曲はほんっとうに楽しい曲で、生徒さんたちみんなが気に入る曲です。
実際の楽譜は5線もなければ小節線もありません
とても面白い伴奏がついていて、私も大好きな曲なんですヨ。
そのほか、4分の6拍子の曲も多く出てきます。
 ・・・・・まだ8分音符が出てきていないので、
     4分音符・2分音符・付点2分音符で作れる拍子なのデス。


小節線が出てくるのは、この楽譜のずっとずっと後ろの方です。
それまでは、小節に何拍入っているか・・・という理論は抜きで、
感覚だけに訴えていきます。

私は、このプレの段階で理論抜きにして、
感覚だけで拍子感を身につけていく方法が気に入っています。
この方法で育った子は、
途中でテンポが狂ったりすることがほとんどないんですよね。
安定した拍子感というものを身につけるのだと思います。

安定した拍子感を身につけるために、
この教材には”歌詞”という強力な助っ人がいます。
前述の5拍子の曲にしたって、
歌詞がなければただただ”タンタンターアンタン、タンタンターアン”と、
能面のようなリズムで終わってしまいかねません。
しかし、そこに生き生きとした歌詞が加わることによって、
1小節のまとまり拍の重さ⇔軽さ
が実感できるんですよね。

拍の重さや軽さ、ノリを伴った拍子感というものを、
私はずっとずっと学んできませんでした。
常にリズムを譜読みするときは、「1と2と3と〜」と計算するだけ。
そこに生き生きとしたリズムなんてなかったのです。
もちろん拍子の重さと軽さなんて感じたこともありません。
頭では、「123123」と数えていても、
それは能面のような「数える」という行為でしかなく、
音楽ではなかったんですよね。

小学2年生頃、ソナチネでテンポの狂いが目立ち始めます。
突然拍子が狂うんですね。
そりゃそうです。
もともと安定した拍子感というものが体にないのですから。
細かなリズムだけで音楽を進めていたら、
ワケがわからなくなってテンポも狂うってもんです。

中学に入って先生に言われたコト。

「あなたは、リズム感がないわねぇ〜」

(_ _;)(_ _;)(_ _;)(_ _;)(_ _;)(_ _;)
言われても、どんな風にリズム感がないのかがわからない私・・・。
かわいそうな私・・・。(T_T)

なんとかリズムを克服できたのは、
中学時代ブラスバンドでパーカッションをやったからでしょうか。
その後本格的にスネアを習ったことがあったので、
そこで確実になっていったのだと思います。

とはいえ、それはあくまでも”リズム”でして・・・。
楽曲の中で常に流れ続けている安定した拍子感というものは、
正直ピアノ講師になってから手に入った気がします。
拍子を音楽的に指導したいと、
自分なりに試行錯誤した時期があったんですよね。
そうしたら、いつの間にか自分の演奏にもそれが生かせるようになって。

理論は体が覚えてしまえば、あとからいくらでも入っていく。
理論で頭をガッチガチにしてから音楽に変換すると、音楽が生き生きしてこない。

私の経験から私が感じているコト。
理論が先という方法だとどこかにひずみが生じてしまう。
ひずんでいた私が実感しているコト。<(;~▽~)
だからこそ、生徒さんたちに私と同じ経験はさせたくないと思うのです。

私が使用しているミュージック・ツリーは、一風変わっているのかもしれません。
5拍子がこんなに頻繁に出てくる教材は珍しいですものネ。
だから、ミュージック・ツリーじゃなきゃダメとは思わないのです。
どんな教材を使っていても拍子感を身につけることはできます。
というのも、

教材から拍子感を学ぶことなんてできない

からです。
体に取り込む・・・という意味合いの拍子感は、

先生から直接伝授

されるもので、教材から学べる類のものではないんですよね。

ジャズをやるのに楽譜とにらめっこしていてもノレナイ。
CDをたっくさん聴いて、先生のセッションをたっくさん聴いて、
先生からノリをトコトン伝授される。
そうやって学ぶのが”ノリ”ですよね。
ジャズでいう”ノリ”が、クラシックでいう”拍子感”なのデス。
この基本の拍子感があって、
そこに様々なダンスやら歌やらの”ノリ”が加わるのがクラシックなんですよね。

ということで、5拍子の出てこない教材があったってイイのです。
もちろん出てくる方が楽しいとは思うケレド、
理論ではなく生きた拍子感を習得するという視点でみると、

拍子に関しては教材云々ではなく、口伝

ってコトなんです。
じゃぁ、なんで”拍子”という観点から教材を眺めたんだ!ですが・・・。
それは、単に私がミュージック・ツリーを気に入っているからです。(^_^;)
こういう教材もあるよ〜ってことなのデスヨ。


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emksan at 09:00│TrackBack(0) ピアノ/教材を眺めて 

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