2007年10月21日

ハーモニーの変化をただただ感じて・・・

なんか最近楽典のことばかり書いているような・・・。(^_^;)
で、今回は「ただ感じるだけ」のお話。
小難しい理論は置いておいて、
 ・・・・第一私も理論は苦手なのデス。(_ _;)
「感じることが演奏に繋がる」というお話です。

シューマンの小練習曲Op.68-14。
これはハーモニーを感じるための練習曲。
だから、ハーモニーの変化がとってもとっても美しい!!

「これは何調の曲かな?」

私が必ず生徒さんに聞くコト。
というのも、ここがわかっていないと、
この先小難しい話を抜きにした「感じる」を、
探すことができないんですよね。
だから必ず聞くんです。
答えは、ト長調。
調号は#が1つ。ファに#が付きます。
 ・・・・ここが重要なのデス。

本来ファだけに#が付くはずなのに、
ト長調の音ではない音が出てくるトコロ。
この曲にはたっくさん出てきます。

harmony1

早くも6小節目で出現しますね〜。
どの調から借りてきた和音だ・・・なぁんてことは置いておいて、
とにかく普通じゃない音が出てきた!と思うコト。
ト長調の曲なのに、ト長調にない音が使われているということは、
作曲家が意識してその音を用いた・・・というコト。
そのト長調にない特別な響きを感じよう!ということなのです。

生徒さんと一緒に楽譜を眺めながら、
このようにト長調ではない音を抜き出していきます。
なんか違う。なんか普通じゃない。
なんか特別な響きがする。

その特別な響きに何を感じるかは、人それぞれ。
大切なことは、そこに何かを感じるということ。

次に、ハーモニーそのものの変化を、
もっと強く感じるために、
分散されている音を和音にして弾いてみます。

harmony2


響きをしっかりと感じ取りたいので、
必ずペダルを使用して弾いてもらいます。
これがとぉっても気持ちがよくて楽しいんですヨ。
ハーモニーって本当に美しいですネ。
こういった練習をするとき、
大人の生徒さんにしろ子どもの生徒さんにしろ、
「響きに包まれるような気持ちでね。」と言います。
こんなに気持ちのよい練習ってないです、ホント。
 ・・・・・実はこれ、譜読みの手助けにもなります。
     バラバラに音を読んでいるより、
     響きとして譜読みができるので、
     大まかな流れが掴みやすいんですよね。


こうやってハーモニーの響きを楽しみながら、
ト長調にない音が含まれているハーモニーを、
よ〜〜く感じながら弾きます。
そのハーモニーを強めに弾きたければそれでもいいし、
弱めに弾きたければそれでもいい。
大切なのは、やっぱり感じるコトなのです。

感じずにたまたま強く弾いた音は、
とてもに響きますし、
感じずにたまたま弱く弾いた音は、
存在感のない薄っぺらな響きになります。

でも、感じた上で強く弾いた音は、
心に強く訴える力を持って響きますし、
感じた上で弱く弾いた音は、
遠くまでポーンと響く美しい弱音となって響くんです。

だから、そのハーモニーを両隣のハーモニーよりも、
弱く弾こうが強く弾こうが、それは人それぞれでいい。
大切なのは、そこに何かを感じて弾いているか・・・ということなんですよね。

こういった「感じる」ということを訓練するというか、
鋭敏な感覚を養う・・・というか。
そういう練習をしていると、

「この音を強めに弾いてごらん。」

とか

「この音を弱めに弾いてごらん。」

なぁんてことを指導しなくてもよくなります。
先生が、その音を強めに、だとか弱めに、だとか言うのは、
やはりそれなりの前後の流れや縦のハーモニーだとか、
まぁ、いろいろな要素を考えた上で言うわけですが、
それを一口に「強く」だとか「弱く」だとか表現したところで、

「いやいや、それはちょっと強すぎるね。」

とか

「いやいや、今のは弱すぎるね。」

なぁんてことになってしまって、
それはそれは丁度いい具合を探すのに手間取ります
そのうち生徒さんも何がなんだかわからなくなってきて、
混乱してしまう。

こういう指導がとっても難しい曲ってあるものですが、
この小練習曲の場合は、
その点とてもラクな気がします。
本当に、ただ感じるだけで音になりやすい曲だからです。

ところで、この「感じる」ということに慣れてきた生徒さん。
こんなことがありました。
インベンション第1番のこの部分。

harmony3

この赤丸のところ。
この音を何も感じずに弾いていたので、

「そのソの#を感じて弾きたいねぇ〜」

と言ったところ、
私の想像とは逆の表現をしてくれました。
私はこの#ソを強調するような演奏を思い描いていたのです。
終止のカデンツだし、
ちょっと他の16分音符より幾分大きめの音で・・・と。

ところがこの子は、とってもいい間合いを使って、
ちょっと抜き気味の音で表現してくれたのです。
それがとても素敵だったんですヨ。
バロックの曲はやりすぎると変ですが、
だからといって全然やらないのもなんかなぁ・・・って思うのです。
特にこのような終止カデンツのところでは、
やはりそれを感じる演奏がしたいトコロ。

この子の演奏は、そのあたりもとっても丁度よくって。

「感じてね。」

のひと言で音にできるようになってきているということ。
それが私が押し付けた表現ではなく、
感じた結果、自分はこういう風に弾く・・・を体言してくれて、
なんだか喜びひとしおだったのデシタ。

ピアノに向かい始めたばかりの頃って、
「感じてね。」の本当の意味が伝わらないものです。
でも、こうやって感覚を鋭敏に養っていくことで、
「感じてね。」を自分なりの音で表現できるようになる。

結果、私はたっくさんの刺激を受けることになるんですヨ。
あぁ、そういう弾き方も素敵だねっ!と発見することが多くなる。
私にない感性と出会うことは、とっても刺激的で、とっても楽しいこと。
いろぉんな感性との出会いがあるピアノ講師って、
なんて幸せな職業なんだろう、と思う瞬間でもあるんです。


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emksan at 09:00│TrackBack(0) ピアノ/レッスン 

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