2007年10月01日

ワルツのペダル

ワルツの演奏を聴いていて、
時々「ん〜〜〜・・・・」と思うことがあるのデス。
それはペダリング。
たまぁになのですが、ベタ踏みのぺダルに出会うことがあるのです。
1曲ほとんどを1拍目で踏みかえるだけで、
ペダルを踏み続ける・・・というスタイルです。

pedal4

なんか違う・・・。
もちろんこういうペダリングをする箇所もあるんですヨ。
でも、それは一部の話で、
これを基本として最初から最後まで・・・というのはワルツじゃないと思うのデス。


ワルツの基本は以下の2つ。

pedal5

pedal6


3拍目、もしくは2拍目でペダルを離します。
こういうペダリングにしないとリズムが流れてしまう・・・。
この基本的なペダルとタッチを身に付けてから、
様々なペダリングを1曲の中で使い分けます。

ちなみに、時々こんな踏み方も使います。

pedal7



ワルツって必ず跳躍がある。
1拍目→2拍目、3拍目→1拍目の左が跳躍するのです。
そして、よくやりがちなのが3拍目を強く弾いてしまう・・・というコト。
次の1拍目へ跳躍するため勢いをつけてしまうんですね。
これでは3拍目で尻餅をついているように聴こえてしまい、
軽やかに踊る音楽ではなくなってしまいます。

そんなとき、私は拍子を数値化してレッスンします。
1拍目が5だとすると、2拍目は3、3拍目は1。
5:3:1の音量の割合です。
3拍目は2拍目の音の中で弾く感じ。
これくらい3拍目の意識を強くもたないと、
5:3:3という捉え方では、どうしても3拍目が強くなってしまうのデス。

まずはペダルを付けずにタッチだけの練習をします。
3拍目を丁寧に弾けるようになったら、
3拍目でペダルを離す練習をします。
ペダルに釣られて3拍目が汚くならないように・・・。
これが意外に難しいっ!!

ワルツって3拍目の扱いが一番難しいなぁと、
教えていていつも思います。
でも、じぃっくり向き合って練習すると、
結構すぐにできるようになるものなんですヨ。

ところで、この記事を書くにあたって、
ちょっとだけ聞き比べをしてみることにしました。
動きのあるワルツの場合、
それほどベタ踏みのペダリングには出会わないのですが、
静かな曲だと、ベタ踏みしてしまいがちのようです。
そこで、”別れのワルツ”を選曲してみました。


ショパン:ピアノ作品集:ミケランジェリ

ショパン : ワルツ集&バラード集(グランドマスター・シリーズ・エクストラ -GR編-):コルトー


聞き比べたのは、このコルトーミケランジェリの2人だけですが、
100人いたら100通りのペダリングがあるんでしょうね〜。


まず始めに、コルトーのペダリング。
ペダリングを見るだけで、
フレーズの捉え方がはっきりと見えてくるペダリングですネ。

pedal1



次にミケランジェリのペダリングです。

pedal2

ミケランジェリの演奏は、
本当にペダルを離しているのか、それとも3分の1くらい踏んでいるのか、
はたまた指で押さえているだけなのか・・・がとぉっても微妙!
それくらいタッチとペダリングの兼ね合いがすっごいのです。
だからこその繊細さと音色の美しさ!
あまりにも繊細すぎて記号では表せきれません。
なんとか記号で表すとこんな感じか・・・といった具合。


最後に、クロイツァー版の楽譜。
ショパン=クロイツァー ワルツ集

聞き比べではないですが、クロイツァーが推奨しているペダリングです。

pedal3


ワルツに限らず、どの曲にもいえることですが、
ペダルを踏んでいないときのタッチ。
これがとても難しいですね。
よほど意識ができていないと、ペダルがなくなった瞬間に、
その音だけ妙に飛び出て聞こえてしまったり、
雑な音色に聞こえてしまったり。

それを回避するために、
思わずベタ踏みのペダリングを選んでしまうのかもしれません。
でも、せっかくワルツを選曲し演奏するのであれば、
せめて基本のペダリングは身に付けたいトコロ。

こうやってペダリングにだけ焦点をあてて聞き比べするのも、
面白いものですネ♪


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この記事へのコメント

1. Posted by ゆっち   2010年10月14日 20:51
5  中嶋さま、こんにちは。
 音楽しろうと、DTMしろうとのゆっちです。何もわかりませんので、失礼がありましたら、どうぞお許しくださいませ。
 このたび、DTMの打込みをしておりましたところ、楽譜にペダルの指定がありまして、それが、3拍子の各小節の最初にペダルを踏む記号があり、ペダルを離す記号がないままに、次の小節の頭にもまたペダルを踏む記号がありまして、いつペダルを離せばいいのか…がわからず困っておりました。(私は、バイエルの80番くらいまで卓上のキーボードで自己流でやったことがある程度で、まったくピアノは弾けませんし、わかりません。)
 なにしろ、ピアノの演奏会で、時々足でペダルを踏んでいらっしゃるところを見たことはあるのですが、その意味も知らなかったようなありさまでした。
 それで、ネットで調べておりましたら、中嶋さんの「想い出の樹 〜ピアノやブログ」を見て、私のような者にも、わかりやすく書かれていて、大変うれしく思いました。一言お礼が言いたくて、コメントいたしました。
 今回のDTMで、中嶋さんの教えを生かすところまでは到底至っていなのですが、私にとっては、記号の意味を理解する貴重なチャンスになりました。本当にありがとうございました。
2. Posted by 中嶋   2010年10月15日 15:23
> ゆっちさんへ
コメントどうもありがとうございます。私の記事を参考にしていただけたとのこと、とても嬉しいです♪ブログも拝見させていただきました。私のブログを紹介してくださりありがとうございます!DTMはたぶんソフトにもよるのでしょうけれど、ペダルのかかり具合など数字で調整できたりすると思うので、自分の耳次第で自由に打ちこむのが一番だと思いますヨ♪応援してます〜
3. Posted by ゆっち   2010年10月16日 21:39
>中嶋さんへ
 お返事コメント、どうもありがとうございます。「ゆっちのDTM」ブログにも来ていただいたそうで、大変ありがとうございます。
 ペダルのかかり具合は、多分、0〜127の数値で調整できるのではないかと思います。
 中嶋さんのご指導どおり、「自分の耳次第で自由に打ち込めるよう、努力したいと思います。
 ありがとうございます。
4. Posted by 中嶋   2010年10月16日 23:41
> ゆっちさんへ
やはり数値で調整できるのですね〜。ということはピアノでは不可能なペダル操作も可能なのかな・・・?もしそれが可能なのであれば、それって面白そう!!クラシック音楽以外のペダル操作は、スタイルも様式感も全く別物だと思うので、本当に自由に求めるがままでいいと思いますヨ♪
ところで、ドラクエ。私も全部経験積です。まぁ、主人がやっているのを横で見て経験している・・・という程度なので、記憶があやふやではありますが。(^_^;) ファミコン時代からドラクエやってますヨ。ドラクエシリーズのDTM、がんばってくださいネ!