2007年09月21日
ピアノの中をのぞいてみたら・・・♪
「高い音がずっとのびてる!」
鍵盤全体を使う毎日の指の練習をしている子が、
突然発した言葉。
「耳がいいねぇ〜〜〜!!!」と驚いちゃった私。
いやいや、子どもの耳はホント素直です。
で、早速毎日の練習を切り上げてピアノのお話に。
私、こういうレッスンが大好きなのです!
生徒さんの発した言葉がきっかけで、
その日のレッスンの方向性が決まった瞬間。
これぞ私が求めていた生徒さん主体のレッスンだぁ〜!と感激しちゃうのです♪
というわけで、生徒さん以上にワクワクしながらピアノの蓋を開ける私。
ほらほらっ!これが弦でね、これがダンパーっていうんだよ!と。
ダンパーは弦の振動を止めて消音する装置のコト。
鍵盤を押さえるとダンパーが弦から離れハンマーが弦を叩き音が鳴ります。
鍵盤から指を離すとダンパーが弦に振れ弦の振動を止め音が消えます。
このダンパーを低音の方から高音へ向けて追っていくと、
途中でダンパーのない弦に出くわします。
「見てみて!!ここからダンパーがないヨ♪」
高い音がずっとのびてた理由。
消音装置がないので、鍵盤から指を離しても音が鳴り続けるのデス。
高音は音が重なっても汚く響きません。
低音に比べ弦も短く、音はたやすく減衰していきます。
ということで、ダンパーの必要がないんですよネ。
その後、高音の弦と低音の弦の長さの違い、
太さの違い、ハンマーが弦を叩く様子などを観察して、
ピアノの蓋を閉めました。
「そりゃ〜さ〜、あぁ〜んなに大きなハンマーをね、
こぉんなに細くて小さなお指で弾かなきゃいけないんだから、
指を鍛えないと重くて重くてたまんないよねぇ〜。」
鍵盤が重い!と眉間に皺を寄せていた子。
お家のピアノは電子ピアノだからなおさらなんですよねぇ〜。
でもね、こんな風に話しかけたらやる気が倍増したようで、
あんなにつまらなさそうにやっていた毎日の練習を、
そりゃぁ〜生き生きと弾き始めたのデス。
先日お話した第1関節が凹まないの第3段階の練習です。
第1関節の凹みにしつこい私ですが、
そのしつこさを受け入れられるようになったんですね。
もういいよってくらいレミレミレミレミレミレと弾き始めたこの子。
いやいや・・・もうレッスンでは曲をやろうよ・・・ってな具合で。(笑)
ところで、この第1関節の凹み。
私はピアノを弾く上で絶対譲れない一線にしています。
たとえ趣味として、1週間のうち1,2日しか練習しない・・・という子であっても、
ぜぇ〜〜ったいに譲れない一線。
よく脱力という言葉を耳にしますが、
この第1関節が凹んでいては、脱力などムリだろうと思っています。
関節が腕の重みや勢いを支えてくれているのですから。
指の付け根と第1関節の支えは、
無理ない動きで、美しい音色で弾くために絶対必要。
その上、ピョコピョコピョコピョコ第1関節が凹んでしまっては、
自分の思ったタイミングより少し遅れて音が鳴ってしまいます。
そんな状態で16分音符のパッセージを弾こうものなら、
音の粒は揃わないやら、リズムは崩れるやら・・・いいことは何ひとつないっ!
ってことで、大切なのはこの導入期にしっかり第1関節を意識し、
凹まないためのレッスンをしつこくしつこくしていくコト・・・と思っているのデス。
なので、生徒さんにとっては辟易してしまう瞬間かも。(笑)
でもね、この指の運動、レッスン中たかだか5分くらいなものです。
5分くらいしつこい時間があっても耐えられる耐えられる♪
それくらいでピアノを嫌いになるなんてナイナイ♪
それより、ラクに弾けて楽しい!と得られるものの方が大きいハズ♪
たまにこんな風に楽しい脱線をしながら、
今度はピアノの歴史のお話ができたら嬉しいなぁ〜と思う私なのでありました。
ランキングに参加してます。クリックで応援してね♪
【ピアノ/本---Amazon.co.jp】
ピアノはいつピアノになったか? (阪大リーブル (1))
日本のピアノ100年―ピアノづくりに賭けた人々
ピアノの誕生―楽器の向こうに「近代」が見える (講談社選書メチエ)
ピアニストに贈る音楽史
ピアノ音楽史事典
チェンバロ・フォルテピアノ
ピアノの音色はタッチで変わるか―楽器の中の物理学
ピアノの歴史―楽器の変遷と音楽家のはなし
江戸でピアノを―バロックの家康からロマン派の慶喜まで
ピアノ物語
楽天楽譜ランキング 楽天クラシックCDランキング Amazonトップセラークラシック