2007年08月04日

指使いの面白さ

譜読みをしていて、
いつも面白いなぁ、楽しいなぁと思うのが指使い。
指使いひとつでニュアンスが変わるからです。

ところで、みなさんはソナチネ・アルバムの楽譜、
どの楽譜を使っていますか?
私はコレです♪

ソナチネアルバム 第1巻 今井顕 校訂 初版および初期楽譜に基づく校訂版 (Zen‐on piano library)

この楽譜、初版に基づいて書かれているんです。
これまで使用してきた楽譜と見比べる楽しさもあります。

で、今日のテーマ”指使い”なのです。
この楽譜には、作曲家自身による指使いと、
普段私たちが選ぶであろう指使いの両方が書かれています。
私は生徒さんに、どちらも弾いてみてごらんと言っています。
普段使っているものもいいけれど、
作曲家自身が書いたのもいいな〜という発見があるからです。

普段使っている指使いは、
現代ピアノに向いた指使いで、
作曲家自身の書いた指使いには歴史を感じますが、
テクニック的に見るのではなく、
ニュアンスで見ると「なるほど〜」という発見があったりするのです。

↓は、クーラウ作曲Op.55-1の5小節目です。

yubidukai

青い指使いがクーラウ自身のもの。
普段私たちは赤い指使いを使いますよね。
この指使いに出会ったとき、
「ほよよよぉ〜〜なるほどぉ〜!」とワクワクしちゃった私。

是非是非試してみてください!
感じ方がまるで変わります。
クーラウ自身の指使いの方が軽やかで、
次の小節に続く「ドミ」に行きたくなります。

当たり前なのかもしれませんがこの指使いの方が、
ずっと古典派らしい音楽になりますね。
12で始まる指使いは手首を使いやすく、
下手をするとレガートがかかりすぎて、
ロマン派のようになりかねません。

もちろん鍵盤の幅が今より狭かったからなんだろうなぁとか、
鍵盤が浅くて軽かったからなんだろうなぁなどといった指使いもあり、
現代ピアノで弾くにはちょっと・・・というものもあるんですヨ。
でも、だからといってすべて却下する・・・というのももったいないなぁと思います。

どちらの指使いも試してみて、
「ほうほうっ」と感じ方の違いを体験してみるのも、
目の前が開けて面白いものですヨ。


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