2007年01月31日

フォルテに侵食しないピアノ?!

変なタイトルですね〜。(笑)
pの音楽の中でクレッシェンドをかけたいとき。
どうしても大きくなりすぎてしまう。
フォルテに侵食してしまった「p(ピアノ)」。

自閉症の子のレッスン。
随分と微妙な表現のレッスンができるようになってきました。
もちろん発達障害のお子さん全員に、
このようなレッスンをするわけではありません。
タイミングを大切に思っています。

・フォルテとピアノが表現できる
・多少不自然さがあってもクレッシェンドとデクレッシェンドができる
・左右のバランスを自在に操ることができる
 ・・・・・左右のバランスを覚える方法については、
     HP内ミューズクリニックの
表現テクニックに書いてあります。

これらの表現テクニックが身についているからこそのレッスン。
  ・・・・・今指導している子は、現在ブルグミュラーをやっている子で、
      楽曲が要求するテンポで弾ける子です。

ってことで、いかに「微妙さ」を伝えるか?に挑戦。
「ちょっと」という概念を伝えたい。
で、こんな図をレッスンノートに描いたのです。

p-zone

もう付き合いが5年くらいになるので、
彼の惹かれそうな言葉がわかります。
今回は「ゾーン」という言葉を使うことにしました。

青の部分がフォルテゾーン。
水色の部分がピアノゾーン。

「○○くんのクレッシェンドはね、
こんな風にフォルテゾーンを侵食しちゃってるんだよ〜。」


ちなみに、「侵食」という言葉も彼が好きそうなので使った言葉。
こういうちょっとむずかしめの単語が彼にヒットするんです。
これが驚くほどの効果!!
やっぱりイメージって大切。
漠然とした音を、目で確認できるイメージに置き換えることで、
理解が深まるようです。

次は、pの中のデクレッシェンド。
pだと思うと弱く弾いてしまう。
弱いのはいいのだけれど、それ以上弱くできないじゃん・・・なのです。
今度は、上記の図にこんな線を書き込んでみました。

p-zone2

「pの中にもね、こぉんなに細かくレヴェルがあるんだよ。」

レヴェルという言葉も、彼に理解しやすい単語のひとつです。

「今○○くんは、pの一番下のレヴェルから弾きはじめちゃったから、
それ以上弱くできないんだよ。
それじゃデクレッシェンドにならないもんね。」

これまた驚くほど効果てきめん!!
とぉってもいい具合のところから弾き始めて、
pの中でのデクレッシェンドを表現することができるようになりました。

で、思ったこと。
この図って、別に自閉症の子ばかりじゃなく、
誰にでもわかりやすい図なのではないかな・・・と。

ベートーヴェンのソナタを演奏するような大人の生徒さんにしても、
pの部分でフォルテに侵食していることに気づかないケースが多々あるものです。
そんなとき、この図1つで楽曲全体のイメージがクリアになるのでは・・・と。

この子のレッスンでは、
上記の図を使って歌いながら線を書きました。
その曲の抑揚が目に見える。
p内でのスフォルツァンドという、
かなり微妙な表現もたった1回のレッスンで理解してくれました。

2,3年前まではクレッシェンドなどはできず、
フォルテ・ピアノ・・・などといった言葉もなかなかピンとこなくて、
レヴェル1〜レヴェル5という言葉に置き換えて理解してもらったんだっけ。
すごい成長ですよね〜。

これらの表現を使い分けることができるようになったときの、
嬉しそうな顔ったら、最高です。
クレッシェンドやデクレッシェンドって面白くて楽しいもんね♪

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emksan at 11:47│TrackBack(0) ピアノ/レッスン | 障碍&幼児

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