2006年10月05日

カデンツを弾く

先日ブログに書いたカデンツについての説明です。
まず３和音の作り方について、
ハ長調を例に説明したいと思います。

3waon

スケール内１つ１つの音を根音として、
その上に１つ跳びの音を加えていきます。（３度の音程）

ドを根音として、１つ跳びの「ミ」、そのまた１つ跳びの「ソ」で、
Ⅰの和音が出来上がります。→ドミソ

ファを根音として、１つ跳びの「ラ」、そのまた１つ跳びの「ド」で、
Ⅳの和音が出来上がります。→ファラド

ソを根音として、１つ跳びの「シ」、そのまた１つ跳びの「レ」で、
Ⅴの和音が出来上がります。→ソシレ

基本的カデンツを弾く上で、覚えておきたいのが、
Ⅰ、Ⅳ、Ⅴの３つの和音です。
それぞれの和音には機能があります。

Ⅰ→T（トニック）
Ⅳ→S（サブドミナント）
Ⅴ→D（ドミナント）

ここで弾けるようになろうと思っている基本的カデンツは、
ⅠⅣⅤを用いた、TSDTというひとまとまりの文章です。

T（トニック）で、この調は○調だぞと意思表示。
S（サブドミナント）で、変化へ向う広がりを感じ、
D（ドミナント）で、大きな緊張感とともに解決したいという意思を感じ、
T（トニック）で、Dが解決することで一安心します。

これらの和音を、
ドミソ→ファラド→ソシレ→ドミソ
と演奏したのでは、音がポンポン飛んで落ち着かないですね。

ファラドは、ドファラでもラドファでも、Ⅳの和音です。
並び方が変わっても、構成音が同じであればⅣはⅣなのです。
ソシレも、シレソでもレソシでもⅤの和音です。

そこで異常な跳躍を含ませずに、
自然なハーモニーの流れを感じるカデンツを作ります。

cdur-tsdt

左は根音を弾きます。
Ⅳのファラドは、
ドミソに近いドファラとします。
Ⅴのソシレはシレソとなります。
これらのカデンツは、体で覚えてしまうのが一番。
弾くべき音がわからなくなってしまったら、
左手の根音をもとに、３和音を口で言ってみます。
そうすれば、右手で弾くべき音が見つかるでしょう。

どの調でも手の移動は同じ動きです。
ⅠからⅣへ行くとき、右手親指は同じ音です。
Ⅴは左右が近づく動きになり、
両手とも一音ずつ中央へずれます。

ここで一番感じておきたいことは、
Ｄ→Tです。
Ｄの不安定感や緊張感をしっかりした音で演奏し、
その調の主和音であるⅠへの解決を感じます。
このときのⅠは、Ｄの半分の音量で演奏すると、
Ｄ→Ｔの流れを感じ取りやすいです。

また、先日ブログに書いた「限定進行音」を感じること。
Ⅴの和音の「シ」は主音（ド）を導く音です。
シ→ドという音の流れをよく感じて弾きます。

長調の一例です。
tsdt1