2006年10月02日
ドミナント(D)→トニック(T)
アナリーゼを演奏に生かすコツは、
コントラストについてだけではありません。
重要なドミナント→トニックを感じること。
これ、かなぁり演奏に変化が出てくるのです。
例えば、AからBへ音楽が移る際、
大抵Aの終わりはドミナント→トニックとなっています。
そして、改めてBが始まるのです。
文章を読むとき句点や読点を無視すると、
何を言ってるのかわからなくなりますよね。
それと同じです。
私が大切にしているD→Tは、
この「区切り」としてのD→Tです。
私はスケール練習の際、
一番基本的なTSDTを生徒に弾いてもらうことにしています。
様々な調のD→Tに慣れてもらうためです。
Cdurでやるなら、
「ドミソ(T)→ドファラ(S)→シレソ(D)→ドミソ(T)」
左は根音「ド(T)→ファ(S)→ソ(D)→ド(T)」と弾きます。
このとき基本的なD→Tの感じ方を伝えています。
「ドミソ→ドファラ→シレソ、シレソ、シレソ、シレソ・・・・・・・・・・」
Dをクドクドと引き続けるとどういう気持になるのか?
「ドミソ」に落ち着きたくなります。
Dは、とても不安定で緊張感のある音。
だから、Dに続くTは「ホッとした気持で」が私の基本です。
物理的に言うならDをしっかりとした音量で弾き、
それに続くTを半分の音量で弾きます。
こうすると感じやすいですネ。
最初のTは「これはCdurだよ」という意思表示。
しっかりと安定感を持って。
続くSは、次に展開するという広がりを感じるハーモニー。
そして、大きな緊張感を持つD、
それに続くTでホッと一息。
何も感じずにカデンツァを弾くのではなく、
このようにハーモニーの特徴を感じて、
それを音にしていくことをとても大切に思っています。
次にハーモニーには方向性があると感じること。
何故方向性が出てくるのか?
大きな原因は「限定進行音」の存在。
私の先生の受け売りです。(笑)
これを知ったことは、とてもとても大きなことでした。
このカデンツァのD→Tには、
導音という限定進行音が含まれています。
導音は、その名の通り主音へ向う音です。
シ→ド というドへの解決を感じること。
この「シ」を響かせて演奏すると、
よりハーモニックな演奏になります。
アナリーゼを演奏に生かすってこういうことだったんだ!
今の先生について目から鱗でした。
そして楽譜を読む楽しさが倍増しました。
この基本的で単純なTSDTを全調弾けるようになると、
耳がD→Tに慣れるので、
たやすく楽曲上のD→Tを発見することができるようになりますヨ。
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