2006年03月11日

ショパンのアンサンブルを19世紀のサロンの響きで〜プレイベント

コンサート情報をアップしている利点。
普段見つけにくいコンサートをピックアップすることができる♪
やっぱりこういう機会がないと、なかなかみつけられません。
ピアノ情報を更新しなきゃ〜と思うからこそ見つけられたコンサート。

『ショパンのアンサンブルを、19世紀のサロンの響きで』

ふふふっ。
浜松市楽器博物館に展示されている、
1830年製とされるプレイエルでの演奏です。
複製じゃぁないですよ。本物です。

でね、今日はそのプレイベントだったのです。
演奏会のチケットを持っていけば、無料♪
静岡文化大学の小岩信治先生によるレクチャーです。
テーマは、ショパン時代のピアノ協奏曲について。

トリトンスクエアの会議室ということで、
プレイエルなしでのレクチャーかなぁと思ったのですが、
なんとなんと会議室に入ると、美しいプレイエルのお姿が!
14日演奏会でのピアニスト、小倉貴久子さんの演奏付レクチャー。

playel1830

どんな内容のレクチャーになるか、
まぁったくわからずに
「プレイベント」なる言葉に惹かれ
予約したレクチャーでしたが、
すっごく贅沢なレクチャーだったのでした。
行ってよかった〜〜!!






ショパン時代のピアノ協奏曲の楽譜。
3パターンで発売されていました。

・伴奏なしのピアノ独奏パートだけの楽譜
・ピアノ独奏パートと弦楽器だけの楽譜
・全パート譜つきの楽譜


当時、スコアというものは売られていなかったらしく、
すべてパート譜として発売されたそうです。

で、興味深いのは、ピアノ独奏譜と弦楽パートだけという組み合わせ。
何故こんな組み合わせがアリなのか?

当時上層ブルジョア階級の家庭には、
婦女子に「ピアノを習わせる」ことが流行りました。
乙女の祈り程度のレヴェルの人もいれば、
協奏曲を演奏できる力のある人もいました。
家族や友人たちを集めての私的なサロンコンサート。

このピアノ独奏譜と弦楽パートの組み合わせは、
「室内楽版」として、そういったサロンコンサートで楽しまれたのでした。

弦楽のパート譜には、小さな音符と他楽器名が書かれた場所があります。
今の私たちにとって、その小さな音符は、
自分が演奏しないときの音楽の流れを把握するためのものですが、
当時は全パートで演奏しない場合、
そのパート譜を演奏している人が、
小さな音符で書かれた他楽器のパートを代わりに演奏したのです。
全パートで演奏する場合は、
その小さな音符は演奏せずに、大きな音符だけを演奏しました。

ということで、完璧な編曲・・・というのとも違うんですよね。
演奏する部分が、他楽器の肩代わりをするために増えるというだけで、
全パートで演奏する際に演奏しなければならない場所は、
室内楽版でも全て演奏するのです。

14日の演奏会では、
この室内楽版で演奏されます。
他楽器の部分を、どの弦楽器が演奏するのかも聴きどころです。

今日の試みとして、
プレイベントに参加した人への特別なプレゼントがありました。
それは、ピアノ独奏部分にも、
小さな音符が書かれている・・・という点に注目した試みです。
ピアノ協奏曲は、ピアノソロにもなり得る
・・・という観点に立った演奏。
ピアノ協奏曲を聴いたことがなければ、
変に思わない、当たり前のように受け入れられる。
そんな演奏となりました。

この時代の楽曲は、とてもとてもフレキシブル!
小さい規模でも大きい規模でも、
同じ楽曲を同じように楽しむことができる。
だからこそ、家庭内で気軽にピアノ協奏曲を楽しめたんですよね。
そして、そういった楽譜発売による普及活動が、
クラシックの裾野を広げるのに一役かったのだと思います。

なんか、現代の凝り固まったクラシックにはない、
柔軟性と身近さを感じますよね。

ところで、今日聴いたプレイエルの音色。
冒頭でエオリアンハープを演奏してくれたのですが、
まさに「エオリアンハープの音色!」を感じさせるものでした。
ハーモニーの響き方も全く違います。
何故こんなに純粋な響きがするのだろうと思ったら、
最後に判明しました。

現代のピアノは弦を交差させて張っています。
ところが、このピアノは交差させていないんです。
今まで交差させることの利点しか目がいっていなかったのですが、
交差させることで諦めなければならなかったこともあったんですね。
それが、この音の純粋さです。
交差させることで、「にごり」が生じてしまうのです。
ハーモニーの響き、ダンパーの響きが、
こんなにも純粋に聴こえたのは、そのせいもあったのだろうと思います。

それから・・・これは想像ですが。
このピアノに感じたこと。(フォルテピアノ全般にそうではありますが・・・)
それは音の減衰の早さです。
言葉を変えるなら、音の伸びが今のピアノより短い。
そこからくる「にごり」のなさもあるんだろうなぁと思います。

音の伸びも、音量も、
現代のピアノとは比べ物にならないほど少ないピアノです。
でも、何故音色がこんなにも豊かで純粋なのか・・・・。
なんとも味わいのある音色なんです。
ピアノが発展してきたことを悪いことだとは思いません。
現代のピアノの伸びやかな音、深みのある音色は、
当時のピアノにはないものです。
ただ、当時のピアノには当時のピアノの魅力があります。
そして、私はその魅力にたまらなく惹かれます。

なかなか聴く機会の持てないフォルテピアノですが、
最近はこういったコンサートも増えてきたようです。
大きな音にばかり慣れている耳が、
こういう優しい音色を求めているのかもしれません。

こういう音楽を聴くと、すごくホッとします。

14日はこのピアノでピアノ三重奏も聴くことができます。
聴き所を今日聞くことができたので、
さらに楽しめそうです!。('-'。)(。'-')。ワクワク

興味のある方は↓まだ、チケットがあるかもしれませんよ。

3月14日19時開演 第一生命ホール(勝どき駅)
チケットぴあ コード:208-599
ノクターン作品9-2 バラード第1番
ピアノ三重奏曲 ピアノ協奏曲第1番(ドイツ初版に基づく室内楽版)



ショパンピアノ協奏曲の楽譜  ショパンピアノ協奏曲のCD

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emksan at 21:51│TrackBack(0) 音楽/コンサート | ピアノ/ピアノの歴史

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この記事へのコメント

1. Posted by 一陣の風   2006年03月12日 10:02
5 よろしくです
2. Posted by 中嶋   2006年03月12日 12:38
初めまして。こちらこそよろしくです。またいらしてくださいね。
3. Posted by なつき   2006年03月12日 21:52
5 はじめまして^^
メロ検索で来ましたが、音楽関係の内容もあって嬉しいです
私も音楽大好きなので!
まだ覗きに来ますね〜。
4. Posted by 中嶋   2006年03月13日 22:39
>なつきさん
初めまして!コメントどうもありがとうございます♪是非またいらしてくださいね!(*^-^*)ゞ