2008年07月03日

タッチによる響きや音色、ニュアンスの聴き取り

flo-519最近我ながら成長したなぁと思うコト。
それは『耳』です。
まだまだ未熟ではあるけれど、
以前よりずっとずっと成長した、
と感じてイマス。嬉しい♪

CDを聴いてわかるようになったコト。
フィンガーペダルなのか
ペダルを使用しての響きなのか?
本当のレガートなのか、
それともポルタートのタッチで
レガートに聞こえているだけなのか?

これってすごく大きい。
よくピアニスト評で、「明快な音」と書かれていることがよくあるけれど、
これってイコール指が強靭である・・・とはいえないんですよね。
基本的にポルタートのタッチの使用が上手いと、
明快な音色になりやすい。

こういうとき、指の強靭さより、指の瞬発力の方が重要だと感じます。
弱音でも指に瞬発力のある人は、いい音色で演奏できる。
クリアな音色になるからです。
そして、ポルタートのタッチにはこの瞬発力がどうしても必要になってくる。
音を発音するときの瞬発力と、
音を切るときの瞬発力。
どちらかというと切るときの瞬発力の方が大切かもしれません。

以前はわからないことだらけだったなぁ。(^_^;)
どうしてピアニストの音色と私の音色は、こうも違うのだろうか?
どうしてピアニストの音色はこんなにも豊富なのだろうか?
どうしてピアニストのニュアンスはこんなに細かいのだろうか?

そう弾きたいのにそう弾けない、もどかしさ。
どうしたらそういう演奏になるのかがわからなかった。
それがわかるようになってきたのですヨ。
その上、そういうタッチの使い分けができるようになってきたお陰で、
ピアニストがどのようにして音色や響きを作り出しているのかを、
聞き分けることが多少なりともできるようになってきたのデス。

例えば、今私が練習している曲。
モーツァルトのソナタ第13番K.333。

k333-1

これを自分好みの音楽にするのには、どうしたらよいのか?
タイムリミット方式の練習をしているので、
しっかりと仕上げることはできないけれど、
それでも好みの響き・流れを作るためにはどうしたらいいかの、
思案くらいはしたいもの。

以前ブログにアップした、
フォルテピアノとモダンピアノの響きの違い。
これが私のネックになっていました。

hatsuonpiano

青い線がモダンピアノ。赤い線がフォルテピアノです。
フォルテピアノは発音がすばやく、発音直後に減衰し、
減衰した音が長く伸びます。
それに対し、モダンピアノは発音がゆるやかで、
ほとんど減衰することなく太い音色が長く伸びます。

私がここに求めている音色や響きは、
とても軽やかなものなのですが、
モダンピアノで弾くとどうしても音がくぐもってしまいがち。
特に、ティーヤッのアーティキュレーション。

k333-2

赤い四角で囲んだところです。
普通にレガートのタッチで弾くと、後音のシがくぐもってしまいます。
こういった音型のとき、よくレッスンで言われること。

後の音もしっかりしたタッチで弾きなさい。

それは、前音に後音が隠れてしまって、
せっかくのニュアンスがくぐもったものになってしまうからです。
でも、私はそこに音の強弱も付けたかったのです。
リズムとしてのニュアンスだけでは物足りない。
大きな音量の差は欲しくないけれど、
ニュアンスを感じる程度に、後音の方を小さく弾きたい。

そこで出てくるタッチがポルタートです。
前音と後音の間に、ほんのちょっとだけ隙間を作ります。
聴いている人が気づかない程度の隙間。

先ほどCDで聴き取れるようになったとお話した、
本当のレガートなのか、それともポルタートのタッチでレガートに聞こえているだけなのか?
くらいの隙間です。
この聴き分けは、実際に演奏し分けることのできる人でないと、
できないんじゃないかなと思いマス。
それくらい微妙なモノ。
でも、明らかに聴き比べるとイメージが異なってくるんですヨ。
このイメージの違いは、聴き分けのできない人でも感じることができるものです。

ピアニストのCDをじっくり聴き比べていると、
私好みのピアニスト(ニュアンスが細かい人)
は、このポルタートとレガートの弾き分け、
フィンガーペダルと足によるペダルの使い分けがスゴイ!

この冒頭の小節。
右手をポルタートのタッチで弾くことにしたものの、
なんか響きがパサパサしてしまう。
ポルタートの響きでは余韻がなくなってしまうからです。
ということで、左をフィンガーペダルで演奏することにしました。

k333-3

赤い線のように、音を保持したまま演奏します。
ダンパーペダルを使用してしまうと、
全体がもやもやっとしてしまうし、
せっかくの右のアーティキュレーションが死んでしまうので・・・。
この箇所、フィンガーペダルを用いた瞬間、本当に美しい響きになるんですヨ。

弾き分けができるようになってきたこういうタッチを、
これからもっともっと突っ込んで身につけていきたいなぁと思ってイマス。
でもね、そのためには技術が必要なのですヨ。
というのは、技術がなくてこれをやってしまうと、
音楽の流れが失われてしまうからです。
流れの中にこのような繊細な響きがあるからこそ美しいのですよね〜。

ある大学の講演会へ行ったときのこと。
テーマはモーツァルト。
外国からいらした、ピアノ教育者として活躍なさっている教授の講演でした。
モーツァルトのタッチはこう演奏されるべき、という主張。
そこには、今お話したようなフィンガーペダルを用いることなどが含まれていました。

講演会最後に、模範演奏として1曲弾いてくださったのですが、
その演奏はというと、全く響きや流れのない音楽で、
う〜む。とうなってしまったのですヨ。
「モーツァルトはこう弾くべき!」が先行してしまって、
音楽が置き去りにされている印象を受けたのです。

目指している響きで演奏するには、
左右全く違う動きをしなければならなく、
かなり細かい指のコントロールが必要になってきます。
しかし、そこに囚われてしまうあまり、
音楽が置き去りにされてしまっては本末転倒。

今私が自分に求めているものは、
欲しい響きや音色を、
自分が求めている音楽の流れに乗せること。
これが難しい!!
私はこの教授のように、細かなところにこだわるタイプです。
でも、こだわりすぎると流れがなくなってしまう。
流れを忘れてしまうんですよね。
結局欲していたニュアンスすら掻き消えて、
つまらない演奏になってしまう。

楽曲の構成を把握して、
全体の流れをこうしたい!と思ったら、
それを見失うことなく、細かなニュアンスに取り組みたいトコロ。
私の演奏に対して世界一厳しい彼が言ったこと。

flo-503「恵美子の演奏は、ページを一枚一枚
めくってる感じがする。
本来いい音楽っていうのは巻物のように
一枚になってるはずだよね?」

何故素人の彼が、
こんなに鋭いことに気づくんだろぉか。(_ _;)
素人ならではの素直な感想。
だからこそ、私にとって一番ありがたい指摘。
ピアノを弾いている人は、
どこか”甘さ”のある評価をするので。
純粋に”聴く”という立場での評価は、
本物だといつも思わされます。

ってことで、
これが今後の私の課題なのですヨ。


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2008年07月01日

ピアノとホールと演奏

illust-sunnydays8悩ましいなぁと、最近感じているコト。
そして、ちょっと頭が混乱しているコト。
それは、ピアノやホールが演奏に与える影響について。

私が大好きなピアニストの内田光子。
内田光子はスタインウェイを弾きます。
その音色の美しさは抜きん出ていて、
ホールで聴くと涙ものです。
・・・・実際泣いちゃったし。


でも、ギーゼキングと内田光子の演奏を聴き比べして思うこと。
私は、ギーゼキングの演奏の方が明らかに断然好きなのデス。
ニュアンスが違う。
私がモーツァルトに感じるニュアンスは、
内田光子のそれではなく、ギーゼキングのものに近いから。

でもね、思ったんですヨ。
果たしてギーゼキングの演奏を、
サントリーホールのような場所で聴いたら、
どれくらい感銘を受けるだろうかって。
内田光子の演奏の方が感動するんではなかろうか・・・と。
そして逆に、小さなホールで2人の演奏を聴き比べたら、
きっとギーゼキングの方がいいに違いない。

また、ギーゼキングが使用している楽器が、
どこの楽器なのかはわからないけれど、
少なくとも現代のスタインウェイではないわけで。
あの演奏を現代のスタインウェイでやったら、一体どうなるかな?

雑に聞こえてしまうところが多々出てくるだろうし、
せっかくの繊細なニュアンスもくどく聞こえてしまうかも。
もしくは、あの繊細なニュアンスが殺されてしまう?

こうしてみるとスタインウェイが、
現代のピアニストに与えた影響はなんて大きいのだろうと感じます。
どうしても ”スタインウェイで弾くための表現” が求められてしまう。

そして、どうやら私はそれが好きではないらしい。(^_^;)
ニュアンスが繊細ではなくなると感じるから。
音色は均一で美しいのですよ。
音の通りもいいし、響きも豊か。
でもね、アーティキュレーションなどのニュアンスにね、
制限が出てくるのだろうと思うのですヨ。

ピアノは他の楽器のように持ち運びできるものじゃないし。
そのホールに備え付けられているピアノで演奏するしかない。
ピアノを選ぶにしたって、ベーゼンかスタインウェイくらいなもので・・・。
本当に悩ましい楽器だなぁと思ふ。

古楽器演奏会が増えてきた、今日この頃。
この時代の音色を好む人も増えてきつつあるだろうし、
この楽器だからこそ可能となる表現に気づいているピアニストもたくさんいるだろうし、
モダンピアノでこういうピアノの音色を作り出すメーカーがどんどん出てきて、
そういうピアノが様々なホールに置かれるようになったら、
ピアニストの演奏は、もっと個性的で面白いものになるんじゃないかなぁと思ふ。

illust-sunnydays9小さなホールで質の高いホールが増えてるんだから、
こういうホールで生きるピアノ、
こういうホールで生きる演奏が、
”モダンピアノ”という形で、もっともっと増えたらなぁ。



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2008年06月30日

ピアニストは指先で考える:青柳いづみこ

ず〜〜っと前に購入していた本。
途中まで読み進めていた本。
忙しくてそこから読み進めずにいた本。(^_^;)
昨日読み終えました。
あ、ちなみにこの本、
本来ならスラスラと面白く読める本なのですヨ。

ピアニストは指先で考える

ピアニスト兼文筆家の青柳いづみこさんの著書。
安川加壽子先生に師事した人。
現在大阪音楽大学の教授、日本ショパン協会の理事。
専門はフランス音楽。

これがね、とてもとても面白かったのですよ。
文章がすごく率直!
飾り気がなくて、サバサバしてて、気持ちがイイ!
しかも、普通誰も教えてくれないことを、書いてくれているんですヨ。
ピアニストであれば誰もが体験するようなこと、
でも、人には話さないようなコト。(笑)
そういうことを、率直に語ってくれているのデス。

様々なタッチ・座り方とイスの話・ペダルと靴の話から、
整体・鍼灸・気功・こんにゃく体操のお話まで。
解釈の話や指導についての話から、
コンサートの開き方からレコーディングの様子まで。
とにかく興味深いことばかり!

そして昨日読んだ、最終章『演奏の未来』。
ここには共鳴させられること、考えさせられることが書かれていて、
特に、「ノーミスと人間性」「長期計画」は、
私たちピアノ講師が是非是非読むべき章だと思いマシタ。

青柳いづみこさんの文章。どうやら私好きみたいデス。
だって、すごく気持ちがいい!
今度はコレを買って読んでみよう♪

ピアニストが見たピアニスト


・・・それにしても、私の感想文は内容が薄くてつまらんですね〜。
  少しは青柳いづみこさんのようなパッション溢れる文章を
  書いてみたいもんです。(_ _;)
  私は演奏も文章もマジメすぎ・・・つまんないなぁ。とほほっ



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2008年06月27日

弦楽四重奏:モーツァルト

届きましたヨ。
モーツァルトの弦楽四重奏&五重奏。
聴き比べしているわけではない&楽譜を見ているわけではないので、
はっきり”好き”とは言い切れませんが、質の高い好演でっす。

Mozart: Chamber Music


こうやってみると、これも聴き比べしてみたくなっちゃうなぁ。(_ _;)
なんだか何枚CDがあっても足りない・・・。
なんてお金のかかる勉強法だろぉ。
でも、借りるのは嫌なんですよ。
聴きたいと思ったときに、すっと聴けるようにしておきたい。
それで、あれもこれも!になっちゃうんですよねぇ。

ウィーン時代のモーツァルトは、
ピアノ協奏曲をたっくさん作曲してるので、
明日からは協奏曲もたっくさん聴きたいと思ってマス。
でも、また聴き比べしたくなっちゃうんだろうなぁ。とほほっ
驚くことに、私はモーツァルトのピアノ協奏曲全集を、
バレンボイムのしか持っていないぃぃぃ〜〜!!

で、インマゼールのCDを発見してしまいマシタ・・・。
喉から手が出るほど欲しいぃぃぃ。
今月すでに何枚買ってることか。
その上さらに・・・だなんて、買えるだろぉか。6(⌒〜⌒ι)

ところで、来週からは違う曲の練習です。
何にしようか迷い中。
今週はK.475のファンタジアと、
ソナタ第14番全楽章をやったのだけれど。
来週もやっぱりウィーン時代かなぁ。
ソナタ第10番〜第13番あたりでせうか。

弾いたことのある曲もあるけれど、
全楽章じゃぁないんですよねぇ。(^_^;)
特に緩徐楽章は経験不足もいいところで・・・。
ファンタジア系も経験不足なのだけれど、
これは1週間じゃぁ絶対無理。(笑)
ん〜、来週練習する曲は・・・楽しく迷うこととしましょぉ。

この仕上げるわけじゃなく、
とにかく数をこなす・・・という練習法ですが。
タイムリミットがあるっていいかも、と感じはじめてイマス。
何事も細かく細かく見てしまいがちな私にとっては、
全体を眺めざる得ない状況に置かれるのもいいみたい。

視野を広くもったまま、いろんな曲に接することができる。
こういう練習も楽しいものですぬぇ〜。


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モーツァルト:ピアノソナタ集:グールド
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、第21番:グルダ
モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付」:グルダ
モーツァルト生誕250年記念BOX モーツァルト:ピアノソナタ全集:ピリス
モーツァルト:キラキラ星の主題による変奏曲 K.265:エッシェンバッハ
モーツァルト : ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調:グリュミオー
モーツァルト:2台と四手のためのピアノ作品集:アルゲリッチ
モーツァルト:ディヴェルティメント集:コープマン
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集:ヘブラー

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